2月14日はバレンタインデーでしたね。
私は甘いものが苦手なので(ちゃんと理由があるのです!)、チョコレートは貰えませんでしたが・・・
さて、人間の食べ物の中には、ワンちゃんやネコちゃんが食べてしまうと中毒を起こす可能性のあるものがありますがご存知ですか?
例えば、タマネギ・ネギなどのネギ類、ブドウやその加工品のレーズン、アボカド、キシリトールガムなどが有名です。そして、チョコレート。
甘いチョコレート。「あとで食べようかな~」と食べ残しをテーブルに置いて・・・なんてことはありませんか!?
特にワンちゃんはおいしそうな匂いに敏感です。目の前においしそうなものを発見して、ついつい口にしてしまうというケースは非常に多くみられます。
中毒を引き起こす犯人は、チョコレートに含まれる「テオブロミン」というカフェインの類似物質。
テオブロミンは、コーラやお茶などにも含まれていますが、特にカカオ豆に多く含まれており、その加工品であるチョコレートやココアは含有量が比較的多い食品です。
中毒症状としては、過剰な興奮、嘔吐・下痢、不整脈や頻脈、頻呼吸、多飲多尿、痙攣などがみられる可能性があります。
ワンちゃんに中毒症状が現れやすいのは、人間と比較してテオブロミンを代謝(分解)する速度が遅いためと言われており、誤食した直後ではなく数時間経ってから発症しやすく、翌日位までは注意して経過をみる必要があります。
中毒を引き起こすテオブロミンの量は体重1kgあたり100~500mgと言われていますが、感受性の高いワンちゃんでは20mgでも発症する可能性は十分あります。
この量は板チョコに換算すると、およそ1枚の1/6~1/8の量。2kg位の超小型犬では、板チョコ1/4枚で中毒を起こしてしまう可能性があるのです。
最近では、さらにカカオ含有量の多いチョコレート(ハイカカオチョコレート)の人気があり、それらは通常の4倍のテオブロミンを含んでいるため、ひと口位でも中毒には注意が必要となります。
ハイカカオチョコレートは、人の場合でも国民生活センターから摂取量について注意喚起がされているようです。普段からぜひご家族皆様でお気を付けください。
治療に関してですが、残念ながら「解毒剤」は存在しません。
万が一、誤食してしまった場合には、摂取量や摂取してからの経過時間により対応が異なります。
明らかに中毒量を超えている場合で、誤食してから概ね2時間以内であれば、催吐処置(胃の中の物を吐かせる処置)を実施します。状況によっては麻酔をかけて胃内を洗浄することもあります。
中毒量に満たないと考えられる場合には、慎重な経過観察を行います。
いずれにしても、ワンちゃんやネコちゃんたちが食べないように注意することが一番ですが、万が一、誤食してしまった場合には、早急にかかりつけの動物病院へ連絡の上、対応をご相談ください。
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寄稿:本庄犬猫病院 院長/山本 慎也 先生 <獣医師・獣医医学博士>
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